初天神の日に木鷽を買いに行く(その3) 湯島天神

前回の記事からの続きです。

もう20年近く東京に暮らしていると言うのに、未だに街と街の位置関係がよく分かっていません。

なので、最初は五條天神社から湯島天神への移動に、電車を使おうと思っていたのでした(アホですね…)。
ふと気づいて、地図を見ると(出かける際には、昭文社の『文庫地図東京』は手放せません)、歩いて行けるじゃないですか。

不忍池に沿ってぐるっと歩けば、すぐみたい。


(奥のお堂は弁天堂です)

10分ほどで、湯島天神の裏口(?)に到着。
ちなみに、湯島天神は通称。明治~平成12年までは湯島神社と言ったそうですが、現在は正式名称は湯島天満宮だそうです。


(この急な傾斜の階段は「夫婦坂」と言うそうです)

これだけ近いと、五條天神社とハシゴする人も少なくないようで、あ、さっき並んでた人……という人をたくさん見かけました。

五條天神社ですんなり買えたのにすっかり気をよくして、


(梅の蕾がほころんでるねー)

とか、


(やっぱり合格祈願の人多いねー)

とか、


(合格甘酒だってー)

なんて、暢気にぶらぶらしてたら、

スゴイ行列に、ビックリ。

湯島天神は9時配布開始で、わたしが到着したのは9時35分ごろでしたが、ざっと見たところ、150人ほどの行列だったと思います。
ちなみに、「鷽」は、「學」(学の旧字体)の字に似ているため、特に湯島天神の木鷽は、合格祈願のお守りとしても人気なのだそうです。

木鷽は、社務所ではなく、梅園前の広場のようなところに仮設テントを張って、3列に並ばせて一気に売り捌くという形で、売られていました。

なので、行列はすごいのですが、まぁあの、サクサク進みます。
実際、わたしも15分くらいで、購入できました。

ホームページを見ると、今年は13時に販売終了したようです。

湯島天神の木鷽も、紙袋の裏に由来が書かれていました。挿絵の鷽(本物)が、また可愛い。

鷽は、雀より一回り大きい鳥で、首から頬にかけて美しい紅色、背や腹はねずみ色、頭と尾が黒くきれいな声で鳴く鳥です。
鷽替えとは、私達が平素知らず知らずのうちに、ついてしまう『嘘』を木彫りの鷽(木鷽)に託し、天神様の『誠』のこころに替えていただく除災招福・開運の神事です。
木鷽は毎年初天神(一月二十五日)の日に受け替えます。

 

湯島天神の木鷽は、大と小があります。
大は700円、小は500円。


(足元には、梅の紋が描かれています)

大は、長さ12センチ、直径2.5センチ。小は、長さ7センチ、直径1.8センチ。
いずれも、表皮を付けたままの木の枝をベースに、先端だけシンプルに削って、彩色しています。

なんていうか、鷽というより、鉛筆を連想してしまうのですが、とにかく、大胆なデフォルメだなぁ、と思います。

 


(俯瞰で撮ると鳥っぽくなる?)


(翼も手書きです。ちょっぴり宮史郎風味)


(上部の切り込みは、尾羽の名残でしょうか。湯島天満宮の焼印入り)

実際の鷽と比較すると、目の位置が違うために、独自の変化を遂げたとも言えそうですが(頭頂部に目があれば、本物の鷽に近い感じになりそうです)、これはこれで何とも言えない味わいがあります。

デザインって、面白いですね。

次は、一番の目的地である、亀戸天神だー。
次の記事に続きます)

 

湯島天満宮
113-0034 東京都文京区湯島3-30-1
03-3836-0753
※ 鷽替えは1月25日のみ。

 

(過去記事)
初天神の日に木鷽を買いに行く(全5回)
プロローグ
五條天神社
湯島天神 (この記事)
亀戸天神
新井天神

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